こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- HSPとは?「DOES(ダス)」から見る4つの特徴
- HSPセルフチェック
- HSPの原因
- HSPが抱えやすい悩みと対処法5つ
この記事を書いている私は内向型HSPで、自分がHSPだと気づいてから、本や動画などでHSPについて調べまくりました。
今回は、
- HSPについて詳しく知りたい
- 生きづらさを感じる
- 自分もHSPかも…
という方に向けて、HSPの特徴や抱えやすい悩み、対処法などについてご紹介します。
本記事を読めば、HSPについての知識や対処法を理解でき、「生きづらさからの解放」に近づけますよ。
ちなみに、HSPについて正しく知るには、HSPの提唱者である心理学者エレイン・N・アーロン博士の本を読むのが一番です。
HSPさんがより良く生活していくためには、正しい知識を得ることが大切ですので、一度は読んでおくことをおすすめします。
もくじ
HSPとは?「DOES」から見る4つの特徴
HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)の略で、「とても敏感な人」という意味です。
HSPは生まれつき敏感な神経系を持っており、全人口の15~20%(約5人に1人)が当てはまると言われています。
HSPには、「DOSE(ダス)」と呼ばれる4つの特徴があります。
D=物事を深く処理する(Depth)
O=刺激に敏感に反応する(Overstimulation)
E=感受性・共感力が高い(Emphasis)
S=些細なことも気づく(Sensitive)
それぞれ、詳しく解説します。
特徴①:物事を深く処理する/Depth
HSPは、キャッチした情報をより深く処理する傾向があります。
HSPの脳では、物事や感情、身体の状況などの情報を統合する「島皮質」と呼ばれる領域が、人よりも活性化していることがわかっています。
たとえば、
- さまざまな選択肢を考慮してから結論をだす
- 判断するのが人より遅い
- 並んだ数字に何らかの意味を見出す
といったことが、物事を深く処理している証拠としてあげられます。
さらに、HSPは直感力に優れている人が多く、これは深いレベルでの処理を無意識におこなっているからだと言われています。
特徴②:刺激に敏感に反応する/Overstimulation
HSPは刺激に過敏で、他の人が気にならないような刺激でも、ストレスを感じやすい傾向があります。
- 仕事や飲み会などで人より早く疲れてしまう
- 大人数の集まりやパーティーが苦手
- 体調を崩しやすい
といったことがHSPさんにはよくありますが、これは刺激に敏感であることから、日常ですぐにキャパオーバーになってしまうことが原因です。
ですが、刺激に対する敏感さについては、
- 人より多く休息をとる
- 苦手な刺激をできるだけ避ける
といったことで対処すれば、問題ありません。
特徴③:感受性・共感力が高い/Emphasis
HSPは感受性が高く、ポジティブなことにもネガティブなことにも、人より反応しやすい傾向があります。
とくに、「ポジティブな経験」に対して、より多くの影響を受けることがわかっています。
さらに共感力が高く、相手の気持ちを理解するだけでなく、ある程度相手と同じように感じることもできるので、HSPは良心的である人が多いです。
物事や経験を感情とセットで記憶できるので、人より多くを学ぶこともできます。
特徴④:些細なことも気づく/Sensitive
HSPは、他の人が気づかないようなささいなことにもすぐに気づきます。
これは、感覚情報をより複雑に処理する脳の領域が活発であることが理由です。
たとえば、
- 相手の表情の変化や気分に気づく
- 言葉に込められたサインを読み解く
- 身のまわりの小さな幸せに気づいて味わう
などといったことがよくありますね。
ただし、疲れているときやストレスにさらされているときは、ささいなことどころか、いろんなことが目に入らなくなることもあります。
HSPセルフチェック(自己診断テスト)
ではここで、HSPの提唱者である心理学者エレイン・N・アーロン博士の著書、「敏感すぎる私の活かし方」より引用した、HSPの自己診断テストをご紹介します。
HSP自己診断テスト
感じたままに各質問に答えてください。少しでも当てはまるようなら「はい」に、そうではないと思ったら「いいえ」に印をつけてください。
- 周囲の些細なことによく気がつくと思う
- 他人の機嫌に影響される
- 痛みにとても敏感だ
- 忙しい日は、ベッドや暗い部屋、もしくはプライバシーを確保できて刺激から解放される場所に引きこもりたくなる
- カフェインに対して敏感だ
- まぶしい光、強いにおい、粗い生地、近くから聞こえるサイレンなどにすぐに反応する
- 豊かで複雑な内面世界を持っている
- 大きな音が苦手である
- 芸術や音楽に心を大きく揺さぶられる
- 良心的である
- すぐに驚く
- 短時間でたくさんやることがあると混乱する
- 誰かが居心地の悪さを感じていると、その理由を察し(明かりを調整したり、席を変えたりして)心地よくしてあげようと思うことが多い
- 一度にたくさんのことをやるよう言われると困ってしまう
- 失敗や忘れ物をしないよう、とても気をつけている
- 普段から暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- 周囲でいろいろなことが起こると動揺してしまう
- 極度の空腹によって強い反応が引き起こされ、集中力や気分がそがれる
- 環境の変化に動揺する
- 繊細な、あるいは良質なにおい、味、音、芸術作品を堪能する
- 動揺や混乱を引き起こすような状況を極力避けて生活している
- 仕事で誰かと競ったり、評価されたりすると、普段より緊張し動揺してしまう
- 子供のころ、親や教師から繊細、あるいは内気だと思われていた
「はい」が12個以上あった人は、おそらくHSPでしょう。
ただし、こうした心理テストは必ずしも正解ではないので、参照するにとどめてください。
「はい」の数が少なくてもHSPである可能性は否定できないので、このまま読み進めて、自分に当てはまるものがあれば参考にしてみてくださいね。
HSPの原因は?
HSPの原因は、大半が遺伝子による生まれつきのものだと言われています。
したがって、もしまわりの人から、
なんて言われても、消すことはできない気質なんです。
ですが、この気質とうまく付き合ったり、気質を強みに変えたりすることは可能です!
HSP気質を、生まれ持った特別な能力だととらえて、うまく付き合っていく方法を一緒に探っていきましょう。
HSPが抱えやすい悩み
敏感なHSPさんが抱えがちな悩みとは、具体的にどういったことがあるでしょうか?
ここでは、以下の5つについて解説します。
HSPが抱えやすい悩み
①:生きづらさを感じる
②:疲れやすい・体調を崩しやすい
③:不安になりやすい
④:睡眠の質が悪い
⑤:仕事がうまくいかない
①:生きづらさを感じる
HSPさんは、社会生活で生きづらさを感じやすいです。
なぜなら、HSPが5人に1人という「少数派」だからです。
日本は右利きの人が多いので、駅の改札や車のハンドルなども、右利きに合わせて作られていますよね?
それと同じように、社会はHSPではない多数派の人に合わせて構成されています。
その結果、HSPさんには合わない環境が多く、生きづらさを感じてしまうことに繋がります。
②:疲れやすい・体調を崩しやすい
HSPさんの中には、
- 人といると疲れる
- 風邪をひきやすい
- 元気になるのに時間がかかる
という方が少なくありません。
これは、刺激に敏感という特性により、人いちばい疲れがたまりやすいからです。
また、HSPさんは細かいところも気になるため、仕事や家事がすべて終わるまでくつろいだりすることができません。
結果、無理をして体調を崩したり、ストレスで免疫力が下がって風邪をひいたりしてしまいます。
③:不安になりやすい
幼少期・思春期につらい経験をしたHSPさんは、不安やうつに悩まされやすいということがわかっています。
なぜならHSPは、良い環境にも悪い環境にも強く影響を受けるという特性があるからです。
たとえば、
- 災害
- いじめ
- 虐待、ネグレクト
- 家庭内暴力
- 両親の離婚、死別
- 経済的な困窮
などといった、とても苦しい経験を子どものころに味わったことがあれば、その影響を強く受けて、不安になりやすい脳になってしまいます。
この場合は、不安対策をしたり、HSPをしっかり理解している心理療法士のセラピーを受けたりして、傷をいやすことで改善しますよ。
過去に問題がなかったとしても、現在うつや不安に悩まされている場合は、早めに専門家に相談するようにしましょう。
④:睡眠の質が悪い
HSPは、質の良い眠りにつける時間が短い傾向があります。
刺激に敏感なため、カーテンから漏れる光をまぶしく感じたり、少しの物音で目が覚めてしまったりすることがあるからです。
ほかにも、
- 疲れすぎて眠れない
- (旅行など)環境が変わると寝付けない
- 一度目が覚めると、もう寝れない
といったこともあります。
⑤:仕事がうまくいかない
HSPさんは、適職を見つけることや、職場の人間関係などで悩んだりすることが多いです。
なぜなら、HSPは長時間の労働や、ストレス・刺激の多い環境では、実力を発揮できないからです。
たとえば、
- いつも機嫌が悪い上司がいて、とても気をつかう
- 忙しすぎて、休むことしか考えられない
- 職場が騒がしくて、集中できない
といったことがあれば、本来の仕事に力を出し切れず、「仕事がうまくいかない…」と悩むことになります。
どんなに仕事内容が好きでも、刺激やストレスで成果が出せず、ヘトヘトに疲れる毎日では、「今の仕事が適職だ」と思うことは難しいでしょう。
HSPの悩みへの対処法5つ
上記でご紹介したHSPさんが抱えやすい悩みは、上手く対処していくことで十分に改善できます。
具体的な対処法は、以下の5つです。
HSPの悩み対処法5つ
対処法①:特性・長所を認め、それを活かす
対処法②:休息を多めにとる
対処法③:刺激対策をする
対処法④:不安対策をする
対処法⑤:自分に合った仕事をする
それぞれ、ご紹介します。
対処法①:特性・長所を認め、それを活かす
まずは、HSPの特性をしっかり理解し、それらを強みと認めて活かしていきましょう。
なぜなら、HSPとは消すことのできない特別な気質だからです。
そもそもHSPの特性は、上手く付き合うことでメリットとなることが多いです。
HSPを正しく知り、HSPである自分を認めて、それを活かす道を探してみましょう。
対処法②:休息を多めにとる
HSPさんには、人より多くの休息が必要です。
刺激に敏感な気質のため、人いちばいストレスを感じやすいからですね。
できるだけ、
- 有休をとるなどして休みをつくる
- 一人で過ごす時間を確保する
- 無理にでも好きなことをして楽しむ
などを意識して、自分の心身をいたわりましょう。
「うまく休めない」「疲れが取れない」というHSPさんは、【HSPの休み方】疲れを取るには五感へのアプローチが効果的の記事で紹介している休み方を、一度ためしてみてください!
対処法③:刺激対策をする
刺激対策をして、余計な刺激を受けすぎないようにすれば、疲れや体調不良を改善できます。
他の人が気にならないような刺激でも、HSPさんにとっては強すぎて、疲れやストレスになってしまうからです。
たとえば、
- 苦手な人や、刺激が強い場所から離れる
- 「飲み会は2時間まで」など、時間設定をしておく
- スマホの通知をオフにする
などをして、自分のキャパ以上の刺激を受けないよう、自分でコントロールしてみましょう。
>>【必需品】HSPおすすめ刺激対策グッズ10選【つらさが和らぐ】
対処法④:不安対策をする
不安感が強い人は、不安対策をするようにしましょう。
心理療法やマインドフルネスなどをすれば、不安を和らげることは十分にできますよ。
>>HSPは瞑想で不安に強くなれる【シンプルな実践方法も紹介します】
メンタリストDaiGoさんの著書「自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス」は、自分に合った不安のコントロール術を知ることができるので、不安が強い人なら手元に置いておくべき一冊です。
対処法⑤:自分に合った仕事をする
HSPさんは、自分に合った仕事をすることがとても重要です。
なぜなら、HSPさんは「仕事だから」と割り切って働くことが苦手だからです。
そのため、自分に合った仕事を見つけることができれば、毎日を楽しく過ごせるはずですよ。
>>HSPと相性の良い仕事と、自分に合う仕事の見つけ方【自己分析】
まとめ:HSPを正しく理解し、自分に合った生き方を見つけよう
今回は、HSPの特徴や悩みへの対処法についてまとめてみました。
HSPとひとくちに言っても、人によって個性はさまざまです。
そのため、HSPを正しく理解したら、その知識で過去や現在の自分を新たな視点で見てみましょう。
そうすれば、あなたがあなたらしくいられる、最適な生き方を見つけられるかもしれません。
少しでも、参考になれば嬉しいです。